帝国法制秩序と樺太先住民Teikoku Housei Chitsujo To Karafuto Senjuumin
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19世紀半ば以降、日本とロシアはサハリン島に進出し、以後同島は両国の国境地域となった。近世末の日露雑居期から第二次大戦までに起きた度重なる国境変動は、アイヌ、ウイルタ、ニヴフ、エヴェンキなど現地先住民の生活に大きな影響を与えた。 日本の主な支配地域であったサハリン南部(「樺太」)の先住民は、その少数性などから日本の植民地政策上さほど重要視されておらず、台湾や朝鮮のような植民地統治に対する激しい抵抗もみられなかった。また、第二次大戦後、台湾や朝鮮の民族籍を持つ者は平和条約発効とともに日本国籍を喪失したが、樺太の先住民の一部は戦後も日本国籍の保持が認められた。 このように樺太先住民は、台湾・朝鮮と異なる植民地としての歴史的背景を持つが、国民統合や戦後補償の観点から従来の植民地研究のなかでは台湾・朝鮮と同じ枠組みで語られることが多かった。そのようななかで本書は樺太先住民に対する法政策に注目し、帝国法制のなかで「辺境」の先住民がいかなる法的地位の変遷をたどったのか、その関連法の制定と運用をみていき、法秩序上の「国民」とは何か分析する。
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